症例報告
昨日、知り合いの方の紹介で施術の依頼を受けました。
その方は慢性炎症性脱髄性多発神経炎と脳梗塞と認知症を併発されている方で、手足の痺れと運動麻痺による下肢の障害により車椅子で移動されている方です。
保険制度の改正によりリハビリを施設で十分に受けられなくなったことにより、最近はほぼ寝たきり状態。
デイケアから帰宅し車椅子からベッドに移る際に、奥さんの介助が必要になるのですが、最近は足の力が入らずに奥さんも介護に限界を感じているとのこと。
立ち上がるどころかベッドでまっすぐ座ることも車椅子に長時間座ることもできない状態でした。
また認知症も進んでおり介護者である妻にも暴言や暴力があり、介護にも拒否が見られる状態でした。
主介護者である奥さんからに依頼でしたが、施術に期待することとしては自分で立てるようになってほしいとのこと。また介護に抵抗などなく少しでも穏やかになって欲しいとのことでした。
通常この場合、リハビリのメニューとしては筋肉が硬い部分を柔らかくするようにして関節可動域を広げるための徒手訓練、そして足の力をつけるための筋力訓練や立ち上がりの訓練を行うことが一般的です。
ですが私はリハビリの枠を超えた視点から、更に深い体のメカニズムに着目して評価、施術を実施します。
関節可動域訓練をするにしても筋力訓練をするにしても、患者さん本人の精神が落ち着き、様々な感覚が入りやすい状態を作って行った方が圧倒的に効果が得られやすいと考えております。
認知症により暴言や暴力を振るうということは脳環境が良い状態とは言えません。
よって、頭蓋骨、脊柱、骨盤を評価治療し自律神経のメカニズムを改善するアプローチを実施しました。
初めから本人にとってつらい訓練、施術は実施せず「心地よい」と感じる範囲の刺激を入力していきます。
結果、幸い一回の施術で自力でベッドの端で座れるようになり、軽い介助で立ち上がりをできるようになりました。
脊髄や脳の環境を改善するアプローチに焦点を当てた結果、体の感覚のメカニズムが改善し得られた結果であると考えています。
また精神状態が平静を保てたことも成功の大きな鍵となったと言えます。
今後もさらなる改善を目指して関わって行きたいと考えています。
読んで頂き有り難うございました。
健康相談、介護に関する相談を受け付けています。