意外と知らない睡眠の知識 ~睡眠で人生を変えよう~
ぐっすり眠るために①
体の疲れ、心の疲れが溜まっていると回復のためにしっかり睡眠をとらなければありません。自律神経失調症やうつ病の対策には睡眠が一番でしょう。
しかし、疲れが溜まりすぎていると逆に不眠状態に陥ることがあります。
こうなると、疲れはさらにたまる一方。
眠れなかった朝は、仕事するために眠気覚ましのコーヒーやエナジードリンクで気合を入れる。
そんなことをすれば、さらに体に負担をかけて自律神経は乱れます。
不眠には、なかなか寝付けない「入眠困難」、途中で目が覚める「中途覚醒」、早く目が覚めすぎてしまう「早朝覚醒」がありますが、しっかり眠れていても夢をよく見てしまう方も不眠状態と言えるでしょう。(夢を見ているとき、脳は休めていません)
そして不眠の原因は、自律神経が乱れていること、何か心配事などがあり心の興奮が収まらないこと、慢性的に緊張状態にあることなどが挙げられます。
自律神経の乱れは不規則な生活や夜更かし、夜遊びで引き起こされます。
生活リズムが乱れると自律神経は乱れます。
そしてそれが長期的になってしまうと自律神経失調症によるいわゆる原因不明の頭痛、腰痛、食欲不振、気分が沈む、などなど様々な不調をきたすようになります。
対策はやはり、寝ることなんです。
正しい寝る準備、不眠症対策をしましょう。
その一つの提案として、今日は「光の調整」を提案させていただきます。
これは自律神経の機能を利用した、体に負担のかけない対策です。
それは、部屋の光をオレンジにすることです。
皆さん夜の部屋の光は何色ですか?無色透明の明るい色ではありませんか?
無色透明の光は自律神経のうちの交感神経を刺激します。交感神経は心を興奮させる神経です。
そんな光を寝る直前まで浴びていたら、心が興奮して(正式には脳が興奮して)睡眠を阻害します。
部屋の光にオレンジの光を取り入れることで、自律神経のうちの副交感神経の働きを促します。
副交感神経は心を鎮める作用のある神経で、全身の体調を整える働きがあります。
夕方になると外はオレンジ色の光に染まりますよね。
人間の遺伝子には、オレンジの光を浴びると「リラックスする時間ですよ」と睡眠を呼びかける遺伝子が深く刻まれています。
なので夜はなるべく部屋をオレンジの光で照らすようにしてください。ぜひ試してみてください。
今はおしゃれな照明スタンドがあります。
あと夜遅くのパソコンやテレビは当然ですが控えて下さいね。
ぐっすり眠るために②
さて、前回のブログでは不眠症対策に夜の光の調整をお話ししましたが、
うつ病や自律神経失調症の方には昼間の光を浴びることも大切です。
昼間に適度に光を浴びておくことは、夜しっかり眠ることにつながります。
それは脳の働きに関連しているからです。
太陽の光は目から入り、脳を刺激して脳に「現在が昼間である」と言うことを認識させます。
これにより脳は覚醒し、脳内の時限装置にスイッチが入ります。
太陽の光が脳に入ってきてから12~15時間後に脳内にメラトニンと言うホルモンが放出されます。
このメラトニンは睡眠には重要で、我々がぐっすり眠るためには夜の間メラトニンが脳内に分泌されている必要があります。
メラトニンは昼間に太陽の光を浴びていないと、夜になってもしっかり出なくなります。
つまり一日中部屋の中にいて、太陽の光を浴びることのない人は、メラトニンが不足しています。
メラトニンはいわば睡眠ホルモンです。
自律神経を整えるために必要な重要物質です。
皆さんは昼間、どれだけ太陽の光を浴びていますか?
ちなみにガラス越しに太陽の光を浴びても効果は薄いと言われています。
うつ病や自律神経失調症の方は、室内で過ごすことが多いかもしれません。
不眠症の改善のために昼間に少し、外を散歩して少しずつでも自律神経を整えていきませんか?
たとえ日陰でも外で太陽の光に触れるだけでも、室内にいるより効果があります。
睡眠を良くすることは人生を変えること。
人生を変えるために一歩外へ出かけましょう!
ぐっすり眠るために③
うつ病や自律神経失調症になると、眠れないという症状が出る方がたくさんいます。
そしてその対策として、夜の照明をオレンジ色にすること、昼間は外に出て太陽の光を浴びること。
この2つの対策をするだけで、睡眠の質は確実に向上します。
1週間くらいは続けて試してみてください。
しかしそれでも効果が感じられない方、根深い症状の方もいます。
そんな方は、さらにもう一つ対策を打ってください。
それは昼間に興奮するようなことを避けること。
夜に興奮することを避けることは、不眠対策ではよく知られていますが、
症状の強い方は昼間も興奮するようなことを避けて、交感神経を刺激しないようにしてください。
具体的には、カフェインを取らないこと。
カフェインをとると脳の興奮が活発になりますが、症状の強い方は夜までその症状が治まりません。
またカフェインは体から必要な水分や気力を奪います(症状の無い方には適度なカフェインは良い効果もあります)。
またカフェインと同じく、興奮するような映画やスポーツ観戦、格闘技観戦も避けたほうが良いでしょう。
自律神経が乱れているとき、自律神経は自分と他人の区別がつきません。
つまり、他人の興奮している映像を見て自分が興奮してしまうのです。
格闘なんか見たら、自分自身が戦っているように、脳が錯覚すでしょう。
それらのような興奮することを続けていると、交感神経のスイッチが入り不眠状態が長引くでしょう。
昼間の興奮には気を付けてください。